市民コンパクト イベントレポート Vol.03
「今から1年でできる情報発信のレシピ」
7/16に、かわさきコンパクト・市民コンパクトセミナー「今から1年でできる情報発信のレシピ」が開催された。当日は20人近くの参加者が集う中、ECO/CSRコミュニケーションの分野で活躍している杉浦正吾氏の講演を聞き、日ごろの情報収集・発信の方法を振り返る場となった。
杉浦氏は、「環境/CSRコミュニケーション」にまつわる活動に、企業向けにコンサルティングする企業の立場として、また企画提案をするNPOとしての立場の双方から取り組んでいる。今回は、2010年に発効が予定されている、企業をはじめとする組織の社会的責任を取り扱うISO26000の発効に向けて、NPOがどうアプローチしていくか、「わがNPOの”直”近未来図づくり」と題した講演となった。
NPOのこれから=1~3年をイメージする
NPOの活動は相手が「ソーシャル(社会)」で、悪い意味ではなく、ニーズあってこその受動活動、と杉浦氏は語る。社会の情勢自体、学者が予測したってままならないので、せいぜい1~3年程度の事業計画を立てれば十分だ。活動の方向性や資金で悩むNPOは多いが、NPO法が制度化されて、たかだか10年の歴史なのだから、トライ&エラーは当たり前。冷静に「これから」をイメージしよう、と呼びかける。
「これから」を考える手順は3つ――「1.社会ニーズをヨもう」「2.自分たちの現在の立ち位置を把握しよう」「3. “直”近未来をイメージして、バックキャスト(逆算実行)」だ。
3ステップで実現する、企業・自治体への効果的な情報発信
講演の中では、杉浦氏の場合どう考えるかの例として、社会ニーズの読み方では、ISOなどの国際規格や、官庁・公共機関のメールニュース、年間購読の情報誌などの情報に敏感になりながら、研究会など同じ分野の人が集まる場での人脈づくりが有効。
次のステップとしての立ち位置の見極めには、まずはビジョンを改めて団体内部でひとつの文章としてつくりあげること、その次のステップで、ビジョンの達成に向けた自らの強み・弱み――特徴の文章化が大事との指摘があった。この中で、企業とは違い、自らの弱みをつぶすという選択肢だけではなく、NPO同士の連携で互いの強みを生かしつつ弱みを埋める「パートナー」を探すことが大事だ。この「パートナー」そして「事業収支」を考えつつ、具体的な相手を意識した、ホームページやプレゼンテーション資料の作成を行うことで、自分たちの事業の提案相手を「口説く」ことができる。
例として、地球温暖化について、いまだかつて経験したことのない事象であること、影響が不可逆であり、その確証ができないことなどを特異性として取り上げたり、京都議定書の民生部門の話題を取り上げたりしながら、自治体や広告会社を相手にするプレゼンテーション資料の作り方が提案された。
情報発信相手やパートナーの探し方・近づき方
杉浦氏に対する質問では、現在のNPOが苦労していることとして相手にとりあってもらえないことが多いが、どうやったら門前払いにならないか、といった会場質問があがり、公式・非公式の場で提案相手と仲良くなることや、たとえば広告会社など多くの企業とつながっている人と知り合いになるといった答えがあった。また、自治体の場合には、他の自治体・公共機関との実績も大きな強みになるので、プレゼンテーションなどの実績で表現しては、と、氏は提案する。
また、別の質問では、どういった場所に相談にいけばいいのかといった声もあがり、市民活動センターが紹介されるなど会場内でのやり取りもあり、まさにNPO・市民活動団体同士が集まる場での情報提供や、NPO間の互いの強みを生かした連携の一部が会場でも見られた。
2010年は、環境分野をはじめ、市民活動にとって大きなターニングポイントを迎える可能性を秘めた年。講演会の後「市民コンパクト」を使った公共的情報発信の紹介があり、様々なチャンネルを利用した、今から1年でできる団体活動の見直しと情報発信の方法を、ぜひもう一度見つめなおし、行動に起こして見てはどうだろうか。
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