
Vol.11「パソコンから始めた地域とともに歩むスタイル」
全国の顧客から近隣地域まで、相互信頼に基づくパートナーを目指す
株式会社ケーエスビーは1965年に計算センターを創業し、現在は「会計・給与」専門のソフトウェア開発と販売を全国5000の顧客を相手に手掛け、導入後の保守サポートにも力を注いでいる。
経営の基本理念は「思いやりの心」、「愛」、「貢献」、「共生」といったキーワードを骨格に、顧客と企業との相互信頼を基本とした「あったかパートナー、KSB」というコーポレートメッセージを掲げている。ソフトウェア開発・販売・保守だけでなく、顧客のサポーターという役割を担い「支援サービス全般」をリードする企業を目指し、企業としてどのように社会に貢献していくかを具体的行動として打ち出していることが大きな特徴だ。
現在2017年完了を目途に、KSBサポートネットワークの構築を進めている。ネットワークは、従来のコンピュータ関連事業などの他に、「健康・生涯学習」「医療・福祉」「衛生・環境」の3つの関連事業グループを加えたもの。その「健康・生涯学習」関連事業の初動として始めたのが、「市民パソコン教室」であった。
得意技“パソコン”を活かした地域サロン
社屋は大通りを一つ外れた住宅街にある。まず目に飛び込んだのは「市民パソコン教室」ののぼり旗。入口には教室のパンフレットなどが置かれ、サークルの一室へいざなう趣きだ。奥へ入ると緑が植えられたガーデンテラスが広がり、気軽に足を踏み入れやすい空間になっていた。2008年秋に始まり最初はデジカメやブログなど専門的な内容も網羅していたが、現在は対象を絞り込んで、初心者向けの教室を展開している。“人が人に教える”をモットーに100の質問に100の笑顔で答えるという人と人のつながりを大事にしたパソコン教室である。KSBサポートネットワークの構想の一環として、地域の人が集まる場を作りたいと考えたときに、会社の得意技である「パソコン」を活かして教室を開いた。宣伝は積極的には行わないが、通り沿いののぼりやちらしを見てあるいは口コミで、自転車で通える範囲の近隣の方が訪れるという。まさしく地域のパソコン教室だ。昨年末に講座生でティーパーティーを開いた所、自宅で作成したポスターのお披露目やお互いの講座の成果を報告し合うなど交流を深める場となり、今後の地域サロンとしての場の活用の方向が見えてきたとのこと。今後は、生涯学習の場として他の分野も手掛け、地域の交流を深める「地域サロン」としてこの場を活用していただけたらと担当者は語る。
地域とともに歩むスタイル
ケーエスビーで取り組んでいるのは、パソコン教室だけではない。周辺地域住民の利用も視野に入れ、20名規模の会社では珍しくAED(自動体外式除細動器)を設置し、女性社員を中心にして川崎市独自の「市民救命士」の救命講習を受け、実際の対応に備える。また、正面入り口に飲料購入時、川崎市社会福祉協議会(共同募金会)へ募金できる自動販売機を設置し、地域の人も気軽に利用できるようにしている。またペットボトルキャップを回収し、ワクチンを途上国へ届けているNPOへ送る活動をしている。これらの取り組みは社長以下、全社員が賛同して積極的に取り組んでいる。この渡田の一画で営まれているソフトウェア会社の取り組みは、企業が地域とともに歩むこれからのスタイルといえよう。地域サロンが根付くころ、教室にディスプレイされた、社長の所持品であるというコントラバスが大活躍することを期待したい。
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